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散る桜 残る桜も 散る桜

長いお休み。のんびり世界を眺めるブログ。

くつした の世界

お題「くつ下」

 

くつ下が、好き。

くつ下は、子供の世界。

 

社会人になって、ストッキングを着用する機会が増えた。

ストッキングはなんかの皮膚みたいに薄い。足の爪のささくれがひっかかるとすぐ破ける。汗をかくと、ペタペタとくっついてまどろこしい。カミソリで足を手入れしないと透けて手入れをしていないところが見えて恥ずかしい。ストッキングは女の人だけの履き物。ストッキングは社会の制服。朝素足を通すとき、社会を身に纏う。履くとこころが苦しい。色は薄い肌色と黒だけ。

ストッキングは大人の履き物。月に何度も何度も代えのストッキングを買う。馬鹿みたい、つまらない、何のために、と思ってしまう。クッション性がないため、ヒールと足が擦れて痛い。自分の足で町をひたあるいて、お金を稼ぐ。

 

くつ下は、子どもの履き物。

クッション性に優れていて、足をふわふわ包み込む。走っても、バット振っても、鬼になってもケイサツからドロボーになっても、簡単には破けない。たくさんの色があって、模様がある。くるぶしに羊がいて、チューリップの花が咲いていたら、少し前に進んでみようかしら、という気持ちになる。スニーカーから少し覗くのも可愛らしい。素肌が空気に触れて、気持ちが良い。脚は少し寒いけど季節を感じて、つま先は暖かく守られている。男の子も、女の子も、靴下をはいて走り回る。

くつ下は、自由で、幼くて、子供の履き物で、それを履いたら自分も、子供の世界に行くことができる。